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妊娠中・授乳中の歯の治療②

こんにちは。川崎市宮前区鷺沼の歯医者さん、はるまちざか歯科・矯正歯科です。

新緑がきもちのよい季節となりましたね。ゴールデンウィークは、皆様どのように過ごされましたか?
我が家は、海で釣りをしたり、山奥の方にニジマス釣りに行ったりしました。

ニジマス釣りの帰りにみた鯉のぼりたち

妊娠中・授乳中の歯科治療どうしたらいい?〜pert2〜

さて少し間が空いてしまいましたが、前回にひきつづき妊娠・授乳中の歯科治療についての疑問にお答えしていきます。
妊娠中・授乳中の歯科治療どうする?〜pert1〜はこちら

☑︎レントゲン写真をとるのが不安です

歯科の診断に使うレントゲン写真は、小さいむし歯などを見つけるため、細い筒からレントゲンを照射します。その分、体に吸収されるレントゲンが小さくなるよう設計されています。
また当院でも使用しているデジタルシステムのレントゲンは、従来のレントゲンに比べて1/5~1/10の被ばく量で済むといわれています。


日本人の1年間の自然放射線被ばく量が1.5mSvと言われています。これは、大気や食品から吸収する線量になります。歯科のレントゲンは0.01~0.03mSv。さらに、鉛製のエプロンを通して生殖器付近の線量は0.003~0.016mSvまで減少します。

医学的には「50mGyを超える胎児被ばくは奇形を誘発する可能性がある。また、10mGy程度で小児がんの発症頻度をわずかに上昇させる」※1
とされています。医療において、Gy(吸収線量)とSv(等価線量)は数値として等しいと考えて問題ありません。※2
仮に歯科のレントゲンを毎日撮影し続けたとしても、胎児への影響は心配しなくても大丈夫という事になります。

もちろん、毎日レントゲン撮影をすることはありませんので安心していただけたらと思います。

☑︎妊娠中にお薬を飲んでも大丈夫ですか?

歯科で処方されるお薬の種類は限定的で、その多くは、痛み止めと抗生物質です。

歯科で使う抗生物質は、ペニシリン系・セフェム系という一般的なお薬がほとんどで、これらは妊娠中の催奇形性や胎児毒性の報告はありません。※1
ただし濫用していいものではありませんので、担当の産婦人科医・歯科医師・薬剤師の指示に従うようにしてください。
テトラサイクリン系と呼ばれる抗生物質は赤ちゃんの歯を黒くしてしまう事がありますので、妊娠中の服用は注意が必要です。

痛み止めではカロナールが妊娠中でも比較的安心して使用できるといわれています。しかし、週数によってはできるだけ避けた場合が良いこともありますし、妊長期間飲み続けることは望ましくないので指示通りの使い方をしましょう。※4

体内に入ったお薬は、お母さんの体内に吸収され少なくはなりますが胎盤を通過して赤ちゃんに影響します。※4
お薬は適正な量を使用すれば体に良い働きをしてくれますが、使用方法や使用量を間違って使用すると体に毒ともなります。
「催奇形性」や「胎児毒性」というリスクがなるべく少なくなるように、お薬の種類や量、服用時期をコントロールしていく必要があるのです。

お母さんの体が苦しい状態が続くとお薬を使わなくてもそれ以上の悪影響を赤ちゃんに与える可能性もあります。そのような場合、お薬の有効性と影響を天秤にかけてお薬が処方されます。

☑︎授乳中にお薬を飲んでも大丈夫ですか?

お母さんが飲んだお薬は、お母さんの体の中を通って母乳に移行すると言われています。でも、ほとんどのお薬は母乳になるときに薄くなります。
また、お母さんの体の中、赤ちゃんの体の中と2人分の体を通過する際にも薄くなっていきます。※3
お薬は3つの関門を超えて極めて濃度が薄くなって赤ちゃんの血液の中に到達するわけですね。

お薬を飲んでいる際に授乳を中止するという慣習もあります。しかし、薄くなったお薬が赤ちゃんに移行するのと、授乳を中止することを照らし合わせて、授乳の中止が必ず優先されるという科学的な根拠は乏しいという指摘があります。※3


多くの抗生物質やカロナール、ボルタレンといった解熱鎮痛薬は、授乳中でも安全に使用できると思われる、と考えられています。※3
授乳やお薬の服用の有無など、自己判断せず担当医や薬剤師と相談するようにしましょう。

妊娠中、授乳中はどうしてもお母さんの事は後回しになりがちです。
しかしお母さんの体の変化は赤ちゃんに影響しやすく、お口の中も同じです。
不安な点も多いとは思いますが、まずは歯科医院を受診して健康チェックをしましょう!
歯っぴーファミリー健診もぜひご活用ください。

<参考文献>
※1 日本産婦人科学会診療ガイドライン2014
※2 日本アイソトープ協会 妊娠と医療放射線
※3 厚生労働省事業 妊娠と薬情報センター
※4 愛知県薬剤師会発行 妊娠・授乳と薬対応基本手引き

はるまちざか歯科・矯正歯科
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